エゾエノキ(ニレ科)Celtis jessoensis Koidz.

 

 もう20年近く前のこと、食堂の真ん前にヒョロンと頼りなげな木が芽を出した。
まだ我が家の庭は、犬と子供達が走り回る野原であって、
鳥の糞から育ったものは何でも神様からの授かり物と喜んだ。 踏まれないように、棒切れをまわりにさして守ってあげた。

 なのにある日、庭から悲鳴が聞こえた「やられた〜」
まだ幼犬であった我が家の犬にとって、それは格好のジャンプの練習対象となったらしく、
哀れにも先がポッキリ折れていた。
何がいけないの?と言いたげな犬の顔を今でも思い出す。

 それでもこの木は逞しく、そこから大きくふたつに枝分かれして上へ上へと伸びて行った。

「こんなところに木植えてどうするの?」家にくる誰もが言ったのも無理はない、
ふたまたに分岐した不細工な木が食堂の真ん前で視界を遮っているのだから。
 それでも家族にだけは可愛がられて大きく大きく伸びて行き2階の屋根まで届いた。(下の写 真は、5〜6歳の頃)

 ロッタと名付けたウサギをベランダで飼っていたとき、 この木の葉っぱをとても美味しそうに食べていた。 檻から出してやると走って行って、シャリシャリ、とても良く食べた。

 でも困った事に、建物に近すぎて、
大風の時は2階のベランダに枝を打ちつける音で眠れない程になってしまった。
通り道を塞ぎ、ベランダの中に侵入し、お隣の敷地まで伸びた。これではたまらない。
少しずつ枝を切り始め、ついに一昨年には大枝の半分をばっさり落とした。
 こんなに家族と歴史を共にしているのに、私達はこの木がてっきり欅だと思い込んでいた。
家に来る誰もが、違うみたいだけど何の木かわわからないと言った。

 そして昨年、植木屋さんがエノキだよと教えてくれたけど、図鑑をみるとどうも違う。
そして今さっきやっとわかった。この木の名前はエゾエノキ。

 実をいうと、今年の春に大々的な庭改造をする折、この木は倒されるグループに入っていた。 でも、アドバイスを求めた友人の「面白い形じゃない」の一言で命拾いをした。

 冬に丸坊主にさたけど、この春以来こうしてわんさわんさと枝が出ている。
今年は少しずつ枝を残して剪定してあげよう。
パティオにやわらかな木陰を作ってもらわなくては。
 あなたをあてにして、このパティオを作ったのよ。木陰をお願いね。 [2000.6.25]

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 たっぷり日陰を作ってくれるのはいいのだけれど、ふわふわと白いエノキワタムシが去年からたくさん。下にあるテーブルもレンガもみんな黒くなってしまい、蟻さんがた〜くさん!

 しかたなく、今年はオルトランを根元に撒きました。それでも、結構ふわりふわり![2001.10]

 落ち葉は、良く見るとうどんこ病にも冒されている。これでは、コンポストに入れるわけにはいかず、すべて焚き火にしました。 さあて、冬のあいだに、どう処理をしたものか。途方に暮れている。[2001.11.25]

 今年は、困り物のワタムシがほとんど出なかった。考えられる理由はふたつ。
ひとつ目は、 植木屋さんの助言に従って、2月に石灰硫黄合剤というのを散布した。完全武装をしたつもりでも、髪の毛に硫黄の臭いが残った。ベランダが鉄なので、酸化するといけないので、随分注意し、上の方までは散布していない。ふたつ目は、テントウムシ。春につかまえてきた2匹を元にどんどん増えて、この木に移してはいないのに、ベランダから見たら幼虫がいっぱい動いていた。ふわふわする白いワタムシは数匹見かけただけ。お陰でパティオも下に植えてある木も黒くならずに済んだ。[2002.8.18]