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庭日誌 July 前半|後半 | HOME
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16日

カザブランカ、
この株には13個花芽が付いている。

ムクゲ、
今日この花を「庭の木」に追加した。

 仕事帰りに植木屋さんが立ち寄ってくれる。根本はきれいにしておいた方が良いよ、と言いながらさっさと周りの草をむしって顆粒状の薬を撒いてくれた。だんだんに沁みていくからね。数分で帰ってしまったが、安らかな気分になった。ありがとう!

19日

 トラデスカンチア、同じ所に付けた3つ目の花。

 ここ数日はレスキュー隊の気分である。目下読んでいるのがBeth Chattoの「Dry Garden」、この本の中に登場してくる植物が、何週間もロクに陽も当たらず湿り気たっぷりの所に植わっていたら危険信号ということになる。本を読みながら、そんな植物がでてくる度に庭にくり出す。

 ジャーマンアイリス。はて、家にあるのは...やはりそうか!葉が茶色くなっているので掘りあげる。ついでに調べると株分けの時期でもあるので、ふたつの鉢に移して軒下に移動する。

 Festuca、どうも枯れ始めていると思っていた。軒下にあるのはきれいな青緑なのに、外にあるのは二株とも茶色くなっている。生きている部分の葉の色は濃い緑。環境によって色まで変化する。生き残るかどうか、とりあえず鉢あげして、数センチを残して切ってしまい、これまた軒下に置いてやる。

 ラムズイヤーはどれもこれも現在伸びている葉を残してドロンドロンにトロケている。根元からすべて剥ぎ取った。鋏など必要ない!

 サントリナはまだ大丈夫、ひと株はセイヨウマツムシソウScabiosaの下になっていたので、ロクに伸びていない。日当たりの良い方は、日照不足でぴょろりとしている。花は諦めて刈り込む。一方、湿り気の好きなAegopodiumなどは今までにない程元気である。

 買って間もないStipaは、日陰から日向に移したばかり。まだなんとか持ちこたえているのでそのままにして様子をみてみよう。

 屋上の廃水口近くに、毎年草が生えている。ほんの数ミリたまった塵の中に、これまた飛んで来た種が芽生えたのだろう。塀の外側もそうなのだが、草が生えると自然とそこに土ができる。塵や砂が黒土に変化するのである。屋上の草の根元は黒い土で覆われていて、青青と高さ50センチ程の草が茂っている。もう手後れなのだが、このままほおっておけば防水層に侵食していき雨漏りの原因となるだろう。柵の下を這うように潜ってひっぱってみると、思いのほか抵抗がある。ペリッと引き剥がすようにすると、根と土がひと固まりになって取れた。まるで盆栽を引っこ抜いたような格好である。裏側に見える真っ白な太い根が印象的だった。屋上緑化も、こんな雑草で良いのなら1センチでも土があれば十分なのだろう。もちろん乾燥しきってしまえば断熱効果は期待できないが。

 今年は梅雨が長くお米も不作らしい。くつろぎの庭ではすることが無いとのさばっていたが、こうして心を掛けてやらなくては、消えて行く草花がたくさんになってしまうだろう。

20日

 コゲラだと思うのだが。娘がキツツキのようにくちばしでハナミズキの枝をつついていると言って写真を撮ってくれた。

 朝から強い日射しが出て、昼過ぎまで続いた。洗濯物が見る見る乾いていく。カサブランカが3本、勝手に株別れしているのだろうか?シマススキを背景に白が良く映える。雨上がりの湿った空気が、甘い香りをたっぷり含んで漂う。だが、うっとりとしていると、蚊に刺される。

 このすぐ右には、枯れたサンゴミズキがまだそのままになっている。毎日悲しい思いがするのだが、奇跡が起こるかもしれないので、抜くことができずにいる。木の根本はやはり風通しを良くしてやらなければいけないのだろう。近くに行くと薬の臭いがして、いやなのだが、近寄る。そして、手後れと知りつつ枯れ木の周りの草を摘む。

 もう1週間程、ブラックベリーを毎日数個ずつ朝食前につまんで食べている。甘酸っぱい味が口の中に広がると目が覚める。現在はふた鉢あるのだが、ひと鉢はハムシにやられて実が大きくならずに萎んでしまった。もう一方は枝の先にたっぷり実が付いて、重みで垂れ下がっている。秋になったら、両方共たっぷりの腐葉土に植え変えてあげよう。

22日 仕切り直し

 下の写真は、何年も家にあったのに、初めて見るレモンバームの花。ほったらかしにしておいたから、見る事ができた。

 皮肉なもので、Dry Garden を読んでいる現在、明けやらぬ梅雨のまっただ中で外来種は瀕死の状態である。

 本というのは面白い。直接関係がないのに、思いもかけないところからヒントを得ることが多いのだ。Beth Chattoが「切り戻し」について書いていた。植物の品種によっては、花の後すぐに切り戻すことで、姿の乱れを防ぎ、時によっては再び低い位置で咲かせる花を楽しむ事ができるという。

 そうだ!とろとろに溶け始めているタイム・オレガノ、生き延びてもらうためには風通しを良くしてあげなくては!

 雨の止み間に武装をして庭に出る。じっとりとして風の通りが悪い。一旦庭に出てみると、当初の目的に向けての作業の前に、目の前の柑橘類の茂みが気になった。この時期に庭木を剪定している家を見かけたのはこういった理由からだったのか。トゲに刺されながら剪定していくと、すうっと塀の上からの空気が流れる道ができた。これでハナミズキの下に風が流れる。ついでに塀を乗り越えて伸びているアイビーも刈る。見た目は悪くなってしまったが、仕方ない。

 我が家は私の背の高さの塀でぐるり囲まれている。風通しが悪くなるので、穴の空いたブロックを所々に入れて欲しかったのだが、すべて塞がれてしまったいる。だから、塀の近くは距離を明けてあげないと風の流れが滞るのだ。汗と霧雨で割烹着が体にへばりつくのを感じながら、「ここは温帯モンスーン地帯」と繰り返す。イギリス風園芸なんて、どだい無理な話なのだ。特にこのような長梅雨時には。

 枝落しをしながら、成田空港からの景色を思い出す。夏にヨーロッパへ行って帰ってくると、電車の窓から見える、木々の濃い緑とその密度の濃さに、日本の気候を再確認する。その景色が目に浮かび、もごもご繰り返した「ここは温帯モンスーン!」

 そこを終えて、とろける草を片っ端から刈り込んだ。2年掛けてやっと元気に広がったタイムがあちこちで黒いパッチを作っている。ほどんど黒くなってしまったところもある。日射しが弱いので、アメリカマツムシソウ・ナデシコ・イソトマ・ラミウムなど、ひょろひょろ伸びているのを、片っ端から短く刈り込んだ。それにしても、日本在来種は強い。シュウカイドウ・フウチソウ・ゲンノショウコ・フウロソウ・オイランソウ(フロックス)・オミナエシ。フジバカマは消えてしまったが、大体において強健である。

 長い事庭仕事をしなかったツケが回ってきてしまった。ジャングルの中に分け入ればそれだけはびこる草が見えて来る。中休みを入れて計4時間程作業をしたろうか。西花壇でも、草を短くし、のたうちまわるデイルを抜き、折れ曲がって他の草に覆いかぶさって花を付けているチコリを抜く。すると、Kさんに頂いたスイスのお土産の草花の種を蒔いた所に、きれいなダリアのような花とマロウが一輪。もう諦めていたのに!「この長雨じゃあスイスの花なんか咲くものか」と。爽やかな花!手を休めて見入ってしまった。夕方で暗くなってしまったので明日写真を撮ってみよう。

 長靴を脱いで割烹着をはずし、窓から眺める庭はちょっと殺風景になってしまった。一部は土が丸見えになっている。でも、これで風の道ができた。太陽が戻ってくれば、すぐに新しい葉が出そろうことだろう。仕切り直しと思って、梅雨が明けたら避難していた植物を戻してあげよう。

24日 種をくださったKさん、見てくださいね。

 午後になってやっと晴れ間がでた。22日に撮影できなかった西花壇の花。

 左は、どう見てもダリア。でもダリアはイモから。それで調べたら、種で育つダリアもあるらしい。こうして見ると、やはり花弁は痛んでいるが、もう少しお陽様が顔を出してくれれば、続いて蕾が開いてくれるはず。

 そして右の写真はマロウ。日照不足でひょろりと茎が伸びて一つしか咲いていない。Marsh Mallow(Althaea officinalis)だろうか?

 今日郵便受けを覗くと、アリが巣を作っている!確かにここなら雨も侵入して来ない。なかなか利口者よ。だが、これではこちらが困る。アリだらけの郵便物を家の中に持ち込んだら私のおやつに集るだろう。そこで、必殺木酢液を噴霧した。もちろんトウガラシとニンニクエキス入りである。「ひゃ〜、たまらんわ〜」とばかりに卵を掲げて右往左往、数時間後にはすっかり引っ越してくれた。一件落着。

27日 大雨でポッキリ!

 ひどい雨が降った翌日、支えをしていなかったのカサブランカが根元から折れてしまった。仕方なく痛んだ花を除いて生けてみると、部屋中が良い香り。こんなに楽しめるのなら、最後の2輪は切り花にさせてもらうことにしようかな。

 刈り込んで見苦しくなった南の一部に、一昨日購入したコッキネアとミソハギを植える。ついでに、ホトトギスをたくさん抜いた。土が柔らかくなっているのでズボッと抜ける。困るのはスズラン。好きなのだがどうにも抜き難い。葉の付け根を持って抜くのだが、根までは抜けない。叔父が根こそぎ抜いてしまった気持ちがわかってきたが、はて、どうしよう?

 この時期には腐葉土がどんどんできる。完熟したのでバケツに入れてあった物をユリの根元全体に広げてあげた。

30日 梅雨が明けない、もどかしい!

 ムクゲを「庭の木」に、フロックスその2を「庭の草花」に追加した。
  蜘蛛の活動が急に活発になり、庭に出るときには覚悟が要る。作業をする時には、まず蜘蛛の巣払いをしてからでないと、顔も体も蜘蛛の糸だらけになる。こんなに狙われているのに、花を食べる悪者は堂々と活動している。
  蚊の量も猛烈である。ちょいと庭に出て急いで家の中に入るのだが、体にまとわりついた蚊が私の体と一緒に室内に入ってくる。からりと晴れることがないので、蚊の繁殖には格好の条件なのだろう。

 庭の花を生けるのは楽しいが、かならず虫が付いている。だから、まず中性洗剤を数滴たらした溶液に逆さに放り込み、しばらく漬けてから生けることにしている。売っている花はほんとうにきれいだなあ。

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 本を読んでいて、'unkempt' という単語に突き当たった。知らない単語、調べると「ぼうぼうの、だらしのない」とある。「自然の状態をできるだけ保持し、それを楽しむのが良いのだが、unkemptにしてはだめ」という内容であっった。電気が伝わるかのように体が反応し、そこで読書は中断した。

 夕方のベランダに出て、ゼラニウムと四季なりイチゴの鉢を持ち上げてみる「unkempt」そのもの!ひと鉢ずつ階下に下して、枯葉を除きひとまわり大きな鉢に移し変えてやる。ゼラニウムのまっすぐに伸びなかった茎には支えをつけて持ち上げる。根がこんなに一杯に広がっていのでは、水持ちが悪いはず。

 水食いの四季なりイチゴをベランダに置くなんて利口な選択ではなかった。雨水をたっぷり撒ける庭に置くべきであった。それに、株の増える勢いの凄い事、年に3回は植え変えが必要だし、葉の新陳代謝も速いので枯葉の処理も頻繁に行わなければならない。一部は諦めることにしよう。

 代わりにサントリナ、セダム類、オリガナムを持って上がる。オーデコロンミントは、比較的乾燥に耐えるし、ちょっと触るだけで良い香りがするので、ふた鉢に分けた。ベランダがスッキリした!