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16日

 台風は前回とほぼ同じコースをたどり、ほとんど被害なし。仕事が一段落したので、久しぶりに庭関連の本を読む。何をするにも、内部から泉のごとく好奇心が湧く、などということは、残念ながら私には起こらない。だから、そういった人と直接話すことができなければ、本を頼りにエネルギーを注入するようにしている。

 花の名前がでてこない!元来、記憶力の悪いところにもってきて、老化が始まっているから、読んでいても調べている時間ばかり。それでも、お陰で何かと参考になることが多く、ちょっと読んでは我が庭を眺め、再び机に戻って読み進む。今年の西側花壇は、頂戴したミックス種で思い掛けなく見事な花壇に変身したのだが、ひとしきり咲き終わって、雨風に痛めつけられると、無惨な姿になってしまった。支え棒など使わないで済むようにびっしり植えるのが好ましいのだが、そうすると、暑さに蒸れて傷みはじめる。一方、自称シェードガーデンは気の毒にたっぷり西日を浴びている。ハナミズキがあんなに枝を広げているのに、4時を過ぎると西日が廻ってしまう。サンシュユがもっと広がってくれればいいのに。たっぷり雨を吸って深みの増した夏の庭。ここから、冬の姿を想像して枝の剪定のことを思う。虫の息だったブルーのホスタがひとつ消えた。

 夕方から作業を始めた。今年は蚊が少ないのだが、蚊取り線香をふたつ置いてみる。西花壇に行き、咲き終わってなよなよしている草花はすべて短く切り込んだ。元気があれば、切ったところからもう一度咲かせることだろう。好きなので大目に見て居たタデが物凄く大株になっていて、呆れた。せっかく買ったトラノオブルーブーケが咲いて倒れている。

 アジサイは念願通り、塀の外に頭を出し始めた。鬱蒼として、こここそがシェードガーデン。鉢のまま置いて居たギボウシを地面に下ろした。あら、茗荷がひとつピョッコリ。収穫用に植えた茗荷は、アジサイの茂みでまるで見えない。かき分けて行くこともできない。昨年、手前に移した数本とキチジョウソウがぐちゃぐちゃに増えている。

 斑入り種は概して弱く、ハナシノブも斑入りは枯れてしまった、一般の緑の方はいたって元気である。

 いくら蚊取り線香をつけても、作業をしながら移動するし、夢中になれば忘れてしまう。そのうち汗がでてくる。汗がでてくると、蚊が寄ってくる。1時間ほどして、野菜屑と抜いた草をコンポストに入れていたら、北側の草が大きくなり過ぎているのが気になった。ついでにこちらも少し抜いていると、蚊が寄ってきた。蚊取り線香は遠くの方にある。もう少しだからと、蚊を払いながら草を抜く。でも、そのうちお尻が痒くなってきた。まいったなあ、はいつくばって草をとっている敵の裏を狙うとは何ごとぞ!コンポスターは一番上に土を被せておけば虫が湧かない。だから、もうひとがんばり。土を放り込んで蓋をして、やっとシャワーに直行!虫さされは、すぐに石鹸で洗うと簡単に治まってしまう。エレガントなガーデニングなんて、私には無縁。

19日

 久しぶりに山に出かけた。はっきりしない天気が続き、迷っていたのだが、自称天気女である友人に運をかけて一緒に出かけた。狙い通り、運が勝ち、滋賀県・伊吹山のお花畑は素晴らしかった。「伊吹虎の尾」はトラノオと名前があるのに、どうみてもタデそっくりで、けげんに思っていたら、やっぱりタデ科であった。ごまのはぐさ科の「九蓋草」は満開、「瑠璃虎の尾」はほんの一ケ所でだけ見ることができた。「黄花河原松葉」「金梅草」「黄花の連理草」、珍しかったのは、「雌宝香メタカラコウ」で、すっくと伸びる花穂はひときわ一目をひき、鼻をうんと寄せると、かすかな甘い香りがした。紫色になると、これまた珍しい「棕櫚草」、その他にも、フウロソウ、クサフジ、シモツケソウ、ミヤコアザミ、アカソときりがない。カワラナデシコは清楚な香りがほんわりとあり、我が家のナデシコが臭わなかったことを思い出す。歩き疲れてふと友人の顔を見ると、彼女の鼻の頭に黄色の花粉が付いていた。

21日

 梅雨が明けて朝から太陽の光がぎらついている。勢いの良いもの弱るもの、植物の特性を把握する大切な時期である。

 カサブランカは根元から2本でていて、それぞれに7つずつ花をつけている。もう一ケ所からもでたのだが、そちらはアブラムシにほんの蕾のときにダメにされた。後ろのシマススキとメドウセイジの配色が気に入っている。来年になって、メドウセイジがもうすこし大きくなり、もっと花をつけるとバランスがよくなるだろう。右下にあるのはアセビ。

 ナスがあとひとつで、ひと休みになりそう。あとは秋なすの収穫に向けて、どうすればいいのだろうか。こんなに元気なナスの収穫ができたのは始めてのこと。せっかくなので秋ナスも収穫できたら嬉しいのだが。ピーマンがやっと成り出したと思ったら、緑色!大枚を叩いて黄色と赤のを買ったつもりなのに〜。あとから色が変わるのだろうか。

 多肉植物のAeonium escobariiがビロンと開いてしまっている。Semperbvivum平和も同様。双方とも健康そうではあるのだが、見た目があまりよくない。やはりちょっと締まった形の状態の方が美しい。どの植物も、そう犬猫のペットだって、その良さを十分引き出してこそ愛でる価値がでてくるというもの。最適環境の違う雑多な植物が庭中に雑居しているのだから、「まあまあそれではこちらでいかが?」となだめすかして御機嫌を取りつつ、その美しさを拝見させていただくようにしなければならないのだろう。

 数日前から、Beth ChattoのGarden Notebookを読み始めている。ひとつひとつの植物をていねいに観察して、組み合わせの妙を楽しみ、花の中にあることを喜ぶ姿勢が好ましい。自らも作業に加わることは当然で、また、ハーブや野菜も育てている様子。ここのところが、Sackville Westとの違いで、私には、Bethの方が近しい存在に思える。こうして、根っからの植物愛好家の文章を読んでいると、自分には広すぎると思える庭が狭く感じられるのだから面白い。ところが困ったことに、この夏は庭にもっと木を増やしたい思いが強くなっている。現在は鉢植えにしている物を秋になったらどこに植えようか楽しみにしていて、夏になると林の中の家になってもいいと思っているのだが、はて、それでは野菜やハーブが植えられなくなる。..........こうなると食指の伸びるのは屋上庭園となるのだが.....その関係の本が、近いうちに届くはず.....

 力のみなぎる時、ゆとりのある時には、こうして生活環境の拡張を夢描き、あと20年は持ちこたえるだろうと思うのだが、疲れた時には、いっそのことマンションの一室に引っ込んでベランダ園芸に切り替えられたらどんなにか楽になるだろうとも考える。何もかも、維持する経済力が続く限りの話であるが....。


22日

 昨夕は芝刈り、そして今夕はツタ刈り、割烹着の中はサウナ状態で、体中がチクチクする。

 近頃、見なれない宅急便のお兄さんの時は、家の前で電話をしてくる。おかしいなと思って、はたと気付いた。インターホンも表札も、ツタに隠れてわからない。郵便受けすら存在が見えない。自分でも、車を入れるときにはツタが邪魔する。もう仕方がないので、挟みを袋を持って出陣となった。門を挟んで3メートルほど刈ったら、暗くなってしまった。ぴょんぴょん出た蔓を切り取ると見た目にすっきりする。明日はもう少し早めに作業を始めて残りを刈ることにしよう。

 今日ラジオで、「梅雨明け十日」という表現のあることを聞いた。その通り、7時を過ぎれば焼け付くような日照りである。鉢ものは朝晩の水やりが必要で、四季なりイチゴは葉焼けを起こしている。5時を廻って陽が玄関の方に廻るので、実験的に寄せ植えに使ってみたスパテフィラムは哀れ、しおれてきている。直射日光はまるでだめな日陰植物であることが良く分かった。増え過ぎて締まった時など、こうして思いきった実験をしてみるのも良い。オリズルランは意外と日ざしに強く、緑が濃くなり、全体がしっかりしてくる。ポトスは直射には弱いが、少しずつ慣らせばいくらか抵抗力がつく。

 今ブラックベリーが毎日いくつかずつ食べられる。真っ黒に熟したものを採って口に入れると、甘酸っぱさが広がる。イチゴよりもラズベリーやブラックベリーの方が手も掛からず、収穫も良い。明日は少しイチゴの鉢を処分しようかと思っている。

 いくら好きとはいえ、西花壇は目下、紫オンパレード。フロックス(濃いピンク)・ツルバキア・ブッドレア・トラノオブルーブーケ・アカジソ・ムシトリナデシコ・コモンマロー。間からは、赤銅色の紅葉の苗木が顔を覗かせている。かすかにシュンギク(黄色)やポピー(オレンジ)があるものの、ハツユキソウの白がなかったら、逃げ出したくなるような赤紫ガーデンになってしまった。お〜い、ワスレナグサ(ブルー)やポットマリーゴールド(黄色)・ヤグルマソウ(淡いピンク・ブルー)はどうしちゃったの〜。いっそのことみんなむしって別の苗を植えたくなるのだが、じいっと辛抱すれば、きっとまた咲いてくれる。

23日

 我慢ができなかった!農協と園芸店のはしごをした。オミナエシ、Pennicetum setaceum(チカラシバの類・1年草・パープルファウンテングラスとある)、ブルーのカラマツソウ(キンポウゲ科)、球根ベゴニア(B. sutherlandii)、マリーゴールド、ルリマツリ。園芸店はガラガラだった。

 カラマツソウは、高い山へ行くと白いのがたくさんあって涼し気。近ごろは高山植物が手軽に手に入るのが、いいのやら悪いのやら。今までは気候の違いがありすぎるので、無理をして育てるのはどんなものかと思っていたのだが、出回っているのは改良種だからなのか、結構適応する。山で見ると花の部分にしか目を止めていなかったのだが、イカリソウに似た可愛らしい葉で、これが気に入ってしまった。農協で、盆栽と一緒に置かれていて日焼けしていたが、ひと鉢しかなかったのを持ち帰った。(写真でかすかに見える黄色がオミナエシ、ムクゲは木なのに咲いても見えない!)

 球根ベゴニアは、小さなオレンジの花が自分の部屋の飾り棚の上に良さそうなので、買ってみた。オミナエシは、昨年欲しかったのだが、千円以上もしていて、ちょっと思い切れなかった。今日は598円だったので、寂しくなった西花壇にとカゴに入れた。ルリマツリも、昨年から欲しかったのだが、もう少し高かった。今日は240円、これで秋まで咲き続けてくれれば安いもの。

 これで、出費はちょっとした花束ひとつ分が飛んでしまったが、切り花と違ってほとんどは何年も楽しめる。様々な花木は、育ててみないとその特性がつかめない。だから、少しずつ新しい植物を試そうと思っている。それにしても、斑入りは弱いのだろうか。フイリハナシノブは消えてしまったし、フイリコーンフリーも虫の息、フッキソウも斑入りは弱くてちょっと目を話すと雑草に負けそうになる。

 夕方西花壇の草取りや、枯れた下葉を取りのける作業をしてから買ってきたものを植え付けた。車の掃除は面倒で先延ばしにしていたのだが、あまりによごれて目立ってしまう程になった。ホースを目一杯延ばして、水撒きついでに車も洗った。スモークツリーはやはりウドンコ病がでている。仕方なく、薬を撒いた。