庭日誌 February 前半|後半 最初のページに戻る戻る

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
日誌の最初のページへ 最新の日付けに行く
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

17日 

  インフルエンザで3日間、寝たり起きたの生活だった。まだ本調子ではないのだが、体が動くのならと、庭に出てみる。サンシュユが満開。クリスマスローズに蕾みがたくさん付いている!

 買い置きで、食べる物にはさしたる不自由もなく過ごしたのだが、さすが食品の補充が必要になり、思いきって買い物に出かける。新鮮な野菜を買い込むとなんと嬉しい事!煮物、漬け物と台所で作業をしていたら、瞬く間に午前中が過ぎてしまった。昼寝をして、午後、やはり気になる....。例のお化け水仙の葉ばかりが茂ってクリスマスローズが、まるで見えないのだ。

 庭に出る為の言い訳はできた。コンポスターに入れる野菜屑が溜まっているので、それを抱えてサンダルを突っかける。が、これを放り込んだあとは土で覆わなければならない。未成熟のコンポストをシャベルですくって上にかける。この作業をするのにはサンダルではまずい。長靴に履き替える。と、焚き火がしたくなった。

 1月に植木屋さんが来た時、クスノキの枝だけは取り分けて裏庭にためておいた。何故って、どうも捨てるのは勿体なくてならなかったから。こんなに良い香りのするものを捨てるなんてできない、と思ってそおって取り分けておいたのだが、これはまずかった!乾燥してからからになった葉はとにかく良く燃える。だから、誰かがタバコの火でも投げ捨てようものなら、たちまちにして燃え上がりそう。なんとかしなくてはと心配だったのだ。

 もうこうなると、病み上がりなど関係ない!ほんの少しの紙切れに種火を付ければ、次々と枝葉が燃えた。次々とくべていく。ずうっと昔、あるお宅の庭の一部がこげているのを見た事がある。冬の乾燥している時期に誰かがタバコの火を投げ入れて、それが枯れ草に燃え広がったとか。そんなことを思いだしながら、ひたすら焚き火をした。そのうち目の前の土の所々が黒く濡れだした。どうやら雨。でも私の焚き火は止まらない。

 子供の頃、一番恐かった人は、まず父。彼の否は絶対だった。軍医だった彼は相手構わず怒りは往復ビンタで表現、時に私はほんとうに吹っ飛んだ。びくびく生活していても、へまはしたし、彼の思う程頭の回転も良くなかった為だろう。父を亡くしてからは、祖父。この人はほんとうに否だった。だってキセルで頭をたたくのだもの。でも、彼の子供に頭の変な人がいない所を見ると、手加減をしていたのだろうか。

 つぎつぎと楠をくべながら、遠い昔の事を思い出す。ちょっと前までは、叱らずとも、声をかける誰かが常に側にいた。こんな時には、何度も何度も心配して外に出て来る。それは主人であり娘であった。私が共に暮した思いやりのある家族だった。思いでに耽りながら、ひたすら楠をくべる。雨の中こうしていても、誰も止めない。だが、誰かの声が心の中に聞こえる。「ママ〜、だめだよ〜。もう家に入らなくッちゃ!ほらほら、もうおしまい!」後ろめたい思いで、尚も焚き火を続ける。

 あらかた燃して、鉄の蓋をかぶせた頃には、地面全体が雨に濡れていた。だが心は、まだ治まらない。例の水仙が気になるのだ。このばあさんは、颯爽と南側に行き球根部分ごと掘るようにして引っこ抜いた。ものの数分の作業、これでひと満足。何といっても病み上がり、よろよろと家の中に入ると、同居人が2階から降りて来た。「あ〜ら、雨じゃない!雨よ!」だってさ。

 久方の、ありがたいお湿りである。

 

2月23日

 ここ数日は4月の陽気がつづいている。こうなると、身体は自然と外に向かうのだが、あいにく出る用が重なり庭遊びはできずにいる。

 どこかよそのお宅でみかけたサンシュユは、幹の太さがこの2倍以上もあって、見事だった。たくさんの木を植えて共存させているお宅が多いが、私はできるだけ一本一本を伸びやかに育ててやりたいと思っている。その為に本数は当然減らさなくてはならなくなるのだろうが、それは仕方ない。

 この木の味はまだまだ出ない。あまり剪定せずに伸ばしていって、どんどん深みの出てくる木になって欲しい。年と共に私自身にも味わい豊かな人格が備わるように生きなくては。そして、何十年か後、庭の古木の下を歩き回ると一体感が感じられるようになったら、素敵だなあ。

 下は馬酔木のピンク。白の方は、まだ蕾みが固い。

24日

 花粉シーズンの到来、外出の時には帽子にマスクと武装であるが、庭に出る時にはそれを忘れる!

 まだまだ気温は下がるのだろうが、ツツジを一本移動、サザンカの剪定、塀の内側になだれ込んだアイビーの刈り込み、と遊んでしまった。もう、目は真っ赤で鼻はずるずるである。風呂に入ってすっかり花粉を洗い落として、やっと一息。

 左はゴールデンと名付けられたタイム。タイムは銅葉色・深緑・枯れ木状と冬の姿は様々だが、これはとても美しい。春になったら株分けしてもっと増やしてみよう。(おばかに付ける薬はなく、カメラを持ってまた外にでた!)