庭日誌 November 2001  前半| 後半 最初のページに戻る戻る

11/12

 ぞくぞくと庭の植物の避難が続いている。今日はここに、クフェアとソバカスソウが2鉢ずつ追加となった。まだ花が咲いているのだが、霜が降りると一瞬にしてダメになってしまうので、可哀想だが思いきって坊主にして鉢上げをした。

 昨年はたくさん室内に取り込んだのだが、今年は軒下で耐えられるものだけを残そうと計画している。縁に並んでいる物は、一部を建物側に寄せてあげるつもりでいるが。

 午後から雨が上がって、やりかけの南西花壇が片付いた。

 「まんま」は開けてみると灰のようなものがある。とするとアルカリ性になるかもしれない。ツツジ系は酸性土が好きだから、これはいけない。予定を変更して牛糞と、手持ちのコンポストをかき混ぜて使うことにした。

 肌寒く外に出る時には一枚羽織りたい気候だが、庭で動き始めると、すぐに一枚脱ぐようになる。

 

11/11

 雨上がりの朝、ひんやりして気持ちが良い。

 庭の冬支度で、忙しくなると、、園芸書やカタログに目を通す時間も長くなる。夏の暑い最中で蚊の襲撃にあう時期には、庭仕事への意欲も削がれて、ひたすら熱暑に自分が耐え、植物には「耐えておくれよ〜」と受け身になるばかり。

 さて、カタログといってもなかなかの情報量、自分の持っている植物についての新たな情報を得たり、思い違いに気付いたりする。昨日はリシマキアのファイアークラッカーがカタログに載っていて、どうみても我が家のリシマキア・プンクタータである。懐中電灯を持ってラベルを引っこ抜けば、なんと私の思い違いであった。 とすると、半日陰でなく、お日さま大好き。朝を待って、 雨上がりのドロドロなど構わずにすぐ日の当たるところに移動した。

 目下、南西の花壇は埋めてあった鉢を全部抜いて土の補充を待っている。今のところ質の良い腐葉土の手持ちがない。コンポスターの中に入れる土は、自家製のコンポストを用いて、残飯や雑草と層にすることで品質が上がって行く。つまり、コンポストの濃縮度が上がって行く訳。悪い土を使っていると、一代では使い物にならない。仕方なく園芸店に行くと、面 白い商品があった。その名は「まんま」、残飯を発酵させ熱処理を施したものだという。これは素晴らしい。18リットル598円で、ちょっと値が張るのだけれど、半製品の我が家の腐葉土と混ぜて使ってみようかと思う。下地には上質の腐葉土とピートがすでにタップり入っているのだから。

 ここに収まるはずの二本のブルーベリーの幼木。今きれいに紅葉している。こんなに真っ赤で綺麗な紅葉を見せてくれるのなら、実なんか二の次と思うほど鮮やかである。

11/8

 昨日は日がないちにち、お庭遊び。恥ずかしながら、お昼御飯のために座るのすら惜しくて、口をもぐもぐさせながら夕食用にぶた汁の仕込みをしていた。他所様にはお見せできない始末である。

 エゾエノキのアブラムシ付きの落ち葉がドサドサ落ちてくる。これでは花壇の冬支度をしてもたまらない。だから、最初の仕事は枝切り。180センチの脚立ではとうてい届かないので、延長枝切りを使ってバッサリバッサリ。来月植木屋さんがくるまでの一時しのぎである。エノキは生長が早く、今年伸びた枝でさえかなりの太さになっている。歯を食いしばり全身の力で紐を引いて、花壇の上は取り払うと明るくなった。

 それから、埋め込んであった小鉢を取り出し、あとはひたすら力仕事。別 に土を入れ替えるわけでもない、たったこれだけの作業なのに、試行錯誤の過程で費やした時間が長かったのだろうか。

 空いているところには、球根が埋めてある。だから、もういじっちゃだめよ!ダメなんだからね!と自分に言って聞かせた。

 そして、今朝、そおっと左手前のスゲを入れ替えた........。

思いがけない発見。

 ちょっと都合で犬走りのところに置いてあった植木が邪魔になって、植え込みの中に移動した。すると、なんとヘリクリサムの青味がかった白や赤いミニバラがなんとも映える。

 もう枯れかかっているシュウカイドウも交えて、葉っぱの競演ではないか。この写 真ではよくわからないのだが、濃い緑の中の赤はとても映える。昔の和風庭園ではピンクの花が嫌われ、常緑の濃い緑の中には赤などが好まれたということを思い出す。

11/6

 雨上がり、朝食も取ら摂らずに庭にでる。シダの裏に胞子がびっしりついている。

 いつか母を訪ねた時、シダ退治をしたので右手が痛いと言っていた。 その時はどうしてそんなにシダを目の敵にするのか疑問だった。が、これは確かに始末が悪い。生えて欲しくないところにどんどん生えるし、抜け難いのだ。ことに密植したタマリュウの間には生えてほしくない。だが、抜こうとするとすぐにちぎれる。

 そこで、この胞子が庭中に飛び散ったらどうなるのだろうと考え、空恐ろしくなって一本引き抜いてみた。すると、じめじめの土と一緒に根も抜けた。これはチャンスである。家の中に飛んで戻り、そそくさと朝食を済ませると、いざ出陣!
  シダは、最初の数年は胞子を持たないのだが、その後はたっぷり子孫を残すべく準備をなさる。胞子の付いたものはコンポストには入れられないが、そうでない物は再利用と、仕分けをしながら鎌を片手に何十と株を引き抜いた。

 園芸の目的で植物を管理する場合、その時点における見た目の美しさだけで植えてしまうとあとで困る事がある。限られた空間の中で1年中付き合わなくてはならないために、季節毎の鑑賞価値や花後の見苦しさも考えなくてはと思う。また、不必要に繁殖してしまったときの事も考えるようになってきた。いくら好きでも、ほどほどの量 で他の植物と同居をしてもらわなくてはならないのだから。アジュガ、シュウカイドウ、グレコーマなどは、いくら増えても簡単に抜けて始末がいい。

 ふと、カタバミのことを考える。花はあんなに愛らしいのに、どうして嫌われるのだろうか。どうしてグランドカバーとして使われないのだろうか。この草はある時期とても見苦しくなり、とにかく抜きにくいからあではなかろうか。が、今年買ったブルーのカタバミ... いつのまにか黄色い花が咲き出している。しっかり種までついている。はて、これは一体どうなっているのだろうか。芝生の中に入ったカタバミ、チドメグサの始末の悪い事ったらない。だから、恐くなって種を摘んでしまった。

 「あんたねえ、悪いけどさ、困るのよね。ごめんね。」とあやまりながらの作業が続いた。

11/5

 根無しの朝顔はまだ咲いている。まだまだこんなに蕾みがついているのに、むしってしまって、見る度に胸が傷む。青々と咲く花が幽霊のような、私を見下ろしているような気がする。

 昨日は良い天気。「あの木はこんなふうに切り詰めて...この木が大きくなったら...さあて今日はまた脚立を出して遊べるぞ...」ところが、急きょ突発の仕事が入り部屋におこもりとあいなった。ほのぼのと浮いた世界から一挙に現実の世界に引き戻される。体中のホルモンバランスが動から静止作業向けに転換する。

 私は、体を使う作業が大好き。泥まみれになって汗をかいて、それが作業であっても山歩きであっても、身体の解放された状態が心の中を伸びやかにしてくれる。でも、机に向かうのも大好き。体中の血液がぐんぐん頭に登って行く快感、何かを学ぶ喜びがある。だから、ほどほどならば仕事も嫌ではない。

 先日の事....
 庭仕事グッズというのがあって、しゃれた小物が店に並んでいる。でもどうも手がでない。しみったれなのか、煩わしいのか、私の作業スタイルは手ぬ ぐいを首に巻いてかすり模様の割烹着。天気の日にはこれに20年前に買った帽子がちょこんとのっかる。そして 秋になると、枯れ葉を集めて焼き芋を作るのがなによりの楽しみ。だが、 庭をうろうろしているということは、セールスマンと顔を会わせるチャンスも増えることにもなる。
「奥さん新聞どお?」
「あのう、私留守番だから.....」
「う〜ん。じゃあさ、ここんちの人いつ帰ってくる?」
「暫く帰ってこないよ」
「じゃあさ、あんただって新聞よむだろう?」
「ううん、私新聞読まない」
「そうか....」
あまりにあっけなく行ってしまった。一瞬、「やったぜベイビー!」と小躍りしたのだが、直後、さっと侘びしい思いに青空が覆われるような気持ちになった。 私って新聞読むような顔してないんだ.... 焚き火のとろとろした火を見つめていたら、煙りが目に入って、泥んこの手でこすったら、ざらざらして痛かった。

11/3

 朝起きてまっ先に窓の外を見ると、カマキリはいなくなっていた。卵だけが、ここで冬越しとなる。

 朝食後、農協に行ってブルーのコニファーを買った。ビャクシン系のブルーヘブン。ありきたりのものだけれど、やはり気に入った。手許の本によると、「日陰だとブルーが強くでる」と書いてあるので、朝顔が取り払われて殺風景になった花壇に植える。両端が空いていて、もう2本くらい植えたいところだが、3年後を考えて思い留まる。

 秋を楽しみながらも気持ちが落ち着かない。コキアを抜き取るのはまだもったいないし、.. .霜が降りるまではまだ間があるから....  冬支度への切り替え時期をいつにしようか..... 球根も植えたいし...  夕方からの雨で取りあえず休戦となりほっとする。(娘が考えてくれたPippimamaロゴ案その1)

11/2

 今日は長女とデート。夕方になってしまったが、その足で、例の花屋にまっしぐら!

「日陰で乾燥気味な塀の前に植える物、ありますか?」
「コニファーですねえ」と取り出してもらったものは暗い色。
「もう少し明るい色が欲しいんですけど、これなんか...」

耐寒性もなくては困るので、結局フイリニューサイランと決まった。ほかにもちょこちょこ選んだので、御覧の状態で家まで抱えて帰ってきた。先が尖っているので、電車の中で人を傷つけたら大変と、高くかかげたり低くぶら下げてみたり、とても神経を使った。ついには葉先をつかんでこっくりこっくり。

 実は、他にも欲しい植物があって、レジに運んだのだが、
「お客さん又今度いらっしゃいよ、もう持てないですよ〜」と店の人に言われてしまった。欲しい欲しい、あれもこれも。でも、もう持てない。

 子供二人が小さかった頃、自転車の前と後ろにひとりずつ乗せて、欲張って買い物をしたっけ。「まま、どうやって帰るの?」と子供が不安げに見つめたっけ。両ハンドルにビニール袋をぶら下げて混雑する道路を抜ける姿は壮観だった事だろう。 それに比べたら、こんなのなんでもない。バックなんか持たずにリュックで行けば良かった!

 窓を閉めようとすると、あんら、カマキリの産卵である。どうしたのだろう、このまま5時間半が経過しているのだが動かない。窓のすぐ外。赤ちゃんが出てくるのが、タノシミ....

11/1

 昨日のこと...

 秋を楽しんでいるのだが、緑の濃いカイズカイブキは朝日を遮ってしまう。鋏を入れ出すと、絡み付いている朝顔のツルがどうにもならない。思いきって朝顔と夕顔を抜いてしまった。すると、お隣に行った分はばっさり切られていたらしくあっけなくぺろぺろはがれてしまった。日陰になっていたブロック塀にはだんご虫がたくさんうごめき、すっぽり隠れていた小さな木が顔をだす。「オー可哀想に!ごめんなさい!」手を差し伸べる間もなく、秋の夕はすぐに暮れてしまった。

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
 そして今日...

 おそるおそる窓を開けると、根無しになっているのに朝顔が開いている!Heavenly Blueとはよく付けた名前だなあと感動する。それにしても無惨な後。陽が当たらずに、フイリツルマサキは濃い緑になっているし、ヒイラギは一部枯れている。さあてどうしよう。

 ここにはまだサクラの根が残っていて大きな木は植えられない。日陰に強くて、常緑で、明るい色で、虫がつきにくい木はなんだろうか。

 剥ぎ取った後の見苦しさに心が疲れ、庭を歩きだすと、サフランがポッと咲いている、種から育てた四季なりイチゴが実を付けている。 心が和んで今日の仕事に取りかかる事ができた。

 | 日誌の最初のページに |  Site Map