The Butchart Gardens その3

 木といえば中央の小高いところに植えられたアブュタスArbutus の木は、変わっていた。木の皮がしょっちゅう剥け変わっていて、剥がれる前の色が赤い。山あいを歩いた時に自然木を随分見たが、十分陽が当たらないと間延びがしてしまう。一般の家庭の庭に植えられているものも、なかなか良い形にはなっていなかった。ヴィクトリアの町の大きなホテル前にあった一本はさすがにきれいな形をしていたが。そしてヒイラギだが、どれも鳥に食べ尽されずに赤い実がたくさん付いていてそれは愛らしかった。

 それからコニファー類が面白い。ヒマラヤスギの一種なのだろうかボロボロの布をぶら下げたような妙な木(左写真中央部)があって、これを上手く仕立てるとアフガン・ハウンドのオバケのような形になる。この形は普通の家の庭でも良く見かけ、見慣れてくると愛嬌のある木に思えてくるから不思議だ。

 

チリーマツも冴えた緑が美しかった。あまりにきれいなので帰国して調べると、とほうもない大木になるとか。くわばらくわばら。でも若木はほんとうに美しい。
 草花は当然、おびただしい種類が植えられている。ちょうどシャクヤクが満開で、次々とあでやかな花の続く小道は壮観だったが、アルケミラ、アスチルベ、ツボサンゴ、デルフィニウム、ジギタリス、インパチェンスといった見慣れたスタンダードも多用されていた。
 10 時から4時まで、お茶と昼食の2回の休憩を入れてたっぷり一日を費やした。最後にゆったりと遠景を眺めると、森を背景に実に巧妙に木が配置されている。濃い緑、淡い緑、アクセントに葉色の赤い木。ひとつひとつのテーマガーデンもいいが、ここでは区画ごとの遠景に洗練されたデザインの妙がある。
 秋にはどんな景色を作り出すのだろうか。いつの日かもう一度訪れてみたい。

 

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