ヨーロッパなどにいくと、ハンギングバスケットをよくみる。ホテルの入り口やカフェテラスなど、空間の広いところではなかなかいいものだが、これを自分の庭に置こうと思った事はない。一体水やりはどうするのだろうか、液肥はどうするのだろうかなどと、あらぬことが気になって落ち着かないのだ。軽い土やミズゴゲで植えるのだから、日本の夏にはすぐに
カリカリに乾いてしまうのでと心配になってしまうから。
今回も、ここを訪れる前に、ペチュニアがぎっしり咲いている大きくて見事なバスケットをいくつか見ていたのだが、ブチャートガーデンの入り口にあるバスケットはやはり趣向を凝らしてあった。なんとトラヂスカンティアが使われているではないか。これは衝撃であった。正確にはシロフハカタツユクサ、シマムラサキツユクサなのだろうが、とにかく私はこの観葉植物が大好きで何年か大切にしていたことがある。だが、この葉物はどうも形の納まりが悪く、ちょっとと大きな株になると間延びがしてしまうのだ。庭にじか植えをしてグランドカバーにしてあるお宅を拝見したこともあるが、いまいちしっくりとこない。それで私は、この植物を私のリストからはずしてしまっていた。でも、バスケット全体をスッポリ包みこむように育つと、なかなかステキではないか。
水?バスケットを支えるチェーンにからめてちゃ〜んと細い管がひとつひとつに通っている。穴が一ミリもあるかと思われるような細い管がである。なんとスマートなこと。この細い管は一般の家庭にも普及していて、一箇所の蛇口を捻ると何十個というポット一斉に水が行き渡るようになっている。日本では、水やりウン年などと言われているが、当地ではこんな実に合理的で大雑把な方法で結構元気に育っている。

園内を歩いて行くに従って、どうも気になることがあった。草がぜんぜん生えていないのだ。あちらこちらに仕事をしている人達がいて、同じ道を戻ると、さっき花が終わりかけていた花壇に別の苗がびっしり植わっている。こうして土を引っ掻き回しているから草など生える暇がないのだろうか。でも植え込みだってあるのに...
日本でこうした庭園を散歩していると、たいていは、大きな麦わら帽子をかぶった中年以後の人達が草むしりの作業をしている。ところが、ここでは結構若い男の人達、それも、およそ花の世話など興味のなさそうに見える人達が働いている。ガサッと花の詰まったケースが置かれると、片っ端から埋めて行く。
