ヴァンクーバー国際航空から、フェリー乗り場までバス、フェリーに乗り換えて1時間半。シドニーという町にスコール夫妻が住んでいる。知人でたまたまB&Bを営んでいる彼らの所に暖かく向かえられた。
御主人のグレアムは芸術家。油絵、水彩画、立体像、版画と多方面で活躍している。奥さんのマーニーは良き協力者。御主人と2人3脚で生きている。グレアムは絵を教える暮らしからリタイアーしたというが、並みの現役には引けを取らない活躍振りである。
外国を訪れて羨ましいのは、いつもの事ながら恵まれた住空間。絵を画くアトリエ、版画製作のアトリエ、木工作業場、コンピュータールームとすべて独立していて、そこに行くとすんなりと仕事が始められる。仕事が合理的にできる分、日常生活を楽しむゆとりもきちんとある。近ごろは日本でも日曜大工の店が増え、職人に頼むのでなく自分で作れるようになってきたが、やはりまだまだ歴史の違いを感じる。庭だって大抵の家では自分達でかなりのところまで仕上げてしまうようだ。
さて、中庭に回って最初にあるのがこのクレマチス。植えて3年ほどはロクに花を咲かせないほど気難しく、8年目にしてやっとここまで咲かせたという。このトレリスはお手製。木の板を糸ノコで縦に割いて作ってある。釘を使っていないのでかなり長もちするはずだという。バラも何本かあり、その中のひとつはミカドという名だった。できるだけ薬と使わずに回りにアブラムシの嫌いなナスタチウムやチャイブを植え、病気の葉はすぐに摘み取って消却しているとか。

このパティオは、もともとは現在サンルームとなっているところにあったもので、角度を変えて移動したという。サンルームも全て手造り。庭にうさぎや鹿がやってくるのはいいのだが、やはりバラの新芽がたべられるなどの被害があり、ことに鹿やアライグマには手をやいているようだ。一案として、釣り糸を花壇にめぐらしていた。見えないものが自分をじゃまするので驚いて来なくなるとか。そう、ネコ退治にはナフタリンを勧められた。

敷地が森の中にあるため、背景の緑をうまく利用している。赤い太鼓橋は、もちろん日本風のつもり。その左右と上に3つ池がある。右にある植え込みが赤いのは、もみの木の皮を砕いたグランドカバー。こういったものがトラック一台単位
で安価に手にはいるのはなんともうれやましい。